アキラのような街で
2019年、令和元年はアキラの年。
アキラの街・東京に行ったときの大きくない建物がひっつきあって、一駅一駅で文化が変わる感じがすごく面白いところだと思った。
私の生まれ育った街はさびれてはかろうじてないけど、工場工場工場フィリピンパブ工場みたいな街だから、どこにいても平面にしか感じなかった。東京は多彩な飛び出す絵本が折り重なってまるでびっくり箱のような華やかさだった。なるほど、高校卒業してすぐ上京する19歳の気持ちが少し解る気がする。
ただ、ゾクゾクするような街といったら、やはり私にとっては上海なのだ。そして、ああここがアキラなのかもしれないと思うような極彩色豊かな街だ。
アキラ、攻殻機動隊(私はテレビアニメのスタンドアローンコンプレックスが好きなのだが)、phyco-passなど灰色の街並みに目が冴えるような漢字が目に飛び込んでくる。
开锁,黄金回收なんて漢字だけでもわくわくさてくれる。
しかし、心残りなのはアキラをリアルタイムで見れなかったことだ。
昔NHKでやってた漫画道という漫画家がどうやって漫画を描くかを撮ったドキュメンタリーでの話だ。漫画家の浦沢直樹氏と山下和美氏の対談の中で漫画の「アキラ」の衝撃の話をしていた。うんうん、私もそれを感じてた。でも両者とも口をそろえて、
「初めはすごく斬新だったんだけど、今はたくさんのアニメ・漫画に影響与えすぎて、はじめ見たほどの衝撃はないよね」
と言っていた。
そうなのか!あ、でもそれどっかで知ってるな、と思って思い出しのが「セブン」だ。
セブンは七つの大罪にそって、猟奇的な殺人をするジョン・ドゥ(名無しの権兵衛)を血の気の多い若い刑事と退職を七日前に控えた老刑事の話だ。雨がふりそそぐ大都会、人がたくさんいるのに無関心、7というキーワード、など実にテーマに凝った内容だった。
目を覆いたくなるような不快極まる独創的な殺し方、徐々に刑事を追い詰める展開…、面白いんだけど、なんか知ってるな。あ、「ミュージアム」だ。あれを見た時のさぼいぼたるや。調べると、ミュージアムは「和製セブン」とも呼ばれているらしい(タバコの銘柄のような呼ばれようだ)。
あー、タイムスリップして、アキラ読みたい、セブンみたい、ついでに90年代のコカ・コーラのCMみたいに仕事してコーラ飲んでさわやかテイスティしたい。
なんて、生臭さ漂うアキラのような街でふと考えてた。